今日は、食事だけのデートのはずだった。





レストランから外に出て、夜の街を江古田さんと並んで歩く。


吐く息は白く染まり、寒い夜だった。




いつもより丁寧なメイクと、いつもよりお洒落をした自分がショーウインドーに映る。


気恥ずかしいような、でも嬉しいような。










「ぜひ、芳乃さんと行きたいところがあるんです。」


歩きながら、江古田さんは言った。



「行きましょう!」




そうして江古田さんは、ごく自然に私の手を握った。




冷えきった手に感じる温もり。



意外と積極的な江古田さん、
私は戸惑いつつも受け入れていた。