「芳乃さん、大丈夫ですか?」
「ん〜〜…。」
飲むだけ飲んだ私は……完全に酔い潰れていた。
視界と身体が何だかふわふわして、誰かの声も遠い。
「歩けますか?」
「えぇ〜〜?」
重い瞼を開けると、綺麗な顔をした男のコが私を覗き込んでいる。
あれぇ……このコ、誰だっけ?
……確か…サク?
「送りますよ。山崎も代行で帰ったし。」
「んーー…あぁ!サクラぁぁーー!!」
「え?」
そうだ、このコはサクラくんだ。
キャッキャッと笑う私に美男子・サクラくんは微笑みかける。
支えられて、『子桃』を後にする。
外に出ると、ひんやりと冷たい風に包まれた。
「サ〜ク〜ラぁ〜Hey!サ〜ク〜ラぁ〜Hey!」
気分良く口ずさむヘンテコな歌。
腰に回された手は、
私をしっかりと支える。