でも、私はまだ信じていた。
地味な毎日だけど、目の前のことをコツコツとやっていれば、きっといつか。
平凡すぎて特徴もないけど、言うほど容姿だって悪くないし。
性格だって、どちらかといえば明るいほう。
きっといつか、恋の神様が素敵な王子様と巡り合わせてくれるはずだ。
多くは望まない。
特別じゃなくていい。
ただ、ごく普通に恋をして、ごく普通に恋愛して、人並みに幸せになりたい。
きっといつか、私を見つけだしてくれる王子様が現れるはず。
恋の神様は多分、少しマイペースなだけ。
社会人になったばかりの頃、まだ私はそう信じていた。
信じて、疑わなかった。