「よぉし!せっかくだから撮らなきゃねぇ〜。
絢〜写真撮るからおいで〜。」
若菜は、「じっとしててねぇ」とか「はい、笑って」とか言いながら絢斗にデジカメを向ける。
その光景が微笑ましくて、私もつられて笑った。
若菜の最近の趣味はブログで、自身の日常や子育てについて書いているらしい。
「お菓子をたくさん貰ってゴキゲンです♪」
若菜は言いながら写真を撮る。
それはきっと、そのままブログの本文になるんだろう。
私は微笑みながらも、学生時代からの友人をどこか遠くに感じていた。
同じ制服を着て、
笑ったり、泣いたり、ケンカしたりしていたあの頃も、
もう随分遠い。
いつも一緒にいたはずなのに、
きっとスタートは一緒だったはずなのに、
いつからこんなに差がついたのか。
今はお互い別々の場所にいて、別々のものを見ている。
私にないものを、私が欲しいと思うものを、全部持ってる若菜がときどき憎らしい。
憎らしくて羨ましい。
そう思うたびに、
私は惨めになって自己嫌悪。
サイテーだな、私。