「今日はねぇ〜じゃーん!!お菓子の詰め合わせだよ!」
「うわぁー!!」
絢斗の満面の笑顔に、私の胸はキュン。
「絢斗が好きなヨーグルもちゃんと入ってるからね。」
「やりィ!」
絢斗のマネをして私も、やりィ!、と言ってみる。
ケーキを運んできた若菜が、
「ありがとう、は?」
と促すと、絢斗は元気いっぱいに言った。
「芳乃姉ちゃん!ありがとうー!」
「どういたしましてー!」
絢斗はたくさんのお菓子が入った袋を抱えて、部屋中を駆け回る。
「もう、あんまりバタバタしない!」
若菜は言いながら私にケーキを差し出した。
それは人気の洋菓子店の気品漂うチョコレートケーキだった。
「いつも悪いわねぇ。」
「いいの、いいの。うちの商品だし。
あっ、瑠花(ルカ)ちゃんにはコレ。」
2歳の瑠花ちゃんにはオモチャを。
ピューッと吹けば伸びて、また戻る、
『吹き戻し』というオモチャだ。
若菜はまた申し訳なさそうな顔をして受け取った。