* * *――…
新人バイトの理解しがたい態度を愚痴ると、若菜は声を上げて笑った。
「あーははは!」
「笑い事じゃないよ…。」
眉を寄せてそう言えば、若菜はさらに笑いだす。
「芳乃はさ、真面目すぎるんだよねぇ。昔から。」
「…今の若い子って、皆あーなのかな?」
「うーん、どうなんだろねぇ。
まぁ、そういう冷めたところはあるんじゃない?でもイケメンなんでしょう?」
……またその話題か。
若菜といい、マリちゃんといい、顔が良けりゃ何でもいいのか?
「あたしからすると羨ましいけどねぇ〜。年下の新人クンを可愛がれるなんてさぁ。」
「可愛がるって…。」
「あたしなんか毎日ダンナの顔見てるだけでしょう?
主婦だってトキメキが欲しいのよ!」
若菜はそう言って、
ケーキがあるの、と席を立った。