「…何してるの?」


「メールです。」




……メールです、って。
当たり前じゃん、みたいに言うなよ。




「えーっと…ラスクは終わったのかな?」


「はい。そこに。」



そう言って空いている方の手で指し示した先――カゴの中にはラスクの山。




……終わってんなら言えよ。



もう、何からツッコんでいいのか分からない。


ツッコミどころ満載すぎて処理できない。







「あー…勤務中だから、メールは止めてもらえるかな?」



ソフトに注意すると佐倉くんは、

「あぁ、すみません。」

と言う。





その表情に最初の笑顔はなくて、妙にクールで冷静だった。







「女の子からだったんで、つい。」


「…はっ?」




佐倉くんは、真っすぐに私を見て言った。





「待たせたら可哀相でしょ?」










…………はい?