「マリちゃんも仲良くしよ〜ネ!」
山崎くんの明るい声を、マリちゃんは軽く受け流す。
彼らのテンションに、私は正直ついていけない。
あぁ、やっぱり世代ギャップ…。
「芳乃さんも仲良くしよ〜ネ!」
「…ねー。」
……私、頑張った!頑張ったよね!?
自分の笑顔が引きつっていないことを祈るしかない。
簡単に佐倉くんを紹介すると、
マリちゃんにレジを、
山崎くんに商品出しを任せて、
佐倉くんと共にバックルームへ向かった。
狭いバックルームには、天井まで高く壁一面の棚に商品が山積みになっている。
「…凄いですね。」
佐倉くんはポツリと零した。
「2階の倉庫はもっと凄いわよ。」
私は言いながら商品を探す。
クリスマス、お正月に向けて発注した商品の量はハンパじゃない。
目的の物が見つからず、
バックルームから顔を出し、マリちゃんに声をかけた。
「マリちゃん、チョコフォーなかったっけ?」
「あぁ、昨日香織さんが作ってましたよぉ。」
「そう…。じゃあ、フラワートップは?」
「それも昨日香織さんが。」
……さすが店長代理・香織さん。
仕方なく、私はチョコラスクの箱を手にした。