帰宅すると、マンションの前に不審者がいた。
しかも、今度は男。
190cmはあろうかという長身でマッチョ。
サングラスをかけている。
どう脳内を検索してみても、私にこんな知り合いはいない。
この間の、菫の時は部屋の前だったけど、今回の不審者はマンションの前に立っている。
ということは、私とは無関係の不審者だろう。
当たり障りなく通り過ぎようと思った、その時だった。
「…ショーン?」
私の後ろで、菫が呟く。
「ショーンっ!」
駆け出した菫は男に飛びつき、男も菫を受け止める。
私の目の前で繰り広げられている情熱的なハグ…。
「お姉!ショーンよっ!」
「……んで、ここに…?」
菫はショーンの首に腕を絡ませたまま瞳を輝かせる。
「この間ね、電話したのっ。本当にあたしを愛してるなら迎えにくるくらいしなさいよって。あたしは日本のお姉ちゃんの所よって!
まさかっ本当に来るなんてっ!!」
興奮状態の菫を抱きながら、ショーンはサングラスを外した。