「…お姉、恋してるでしょ?」


「…な、によ。突然。」


「誤魔化したってダーメ。あたしを誰だと思ってるの?妹だもの、分かるわ。」



自信たっぷりの菫に私は何も言い返せない。




「しかも。あんまり上手くいってないんでしょう?」



……菫、アンタもエスパーかい?




「お姉は昔からそうだもん。幼稚園の時のタツヤくんだっけ?あと小学校の鈴木くんに、中学の先輩。
お姉は恋が上手くいかないと、昔から甘いものの大食いに走ってたじゃない?」



何もかも、菫はお見通しだった。




「甘いものは人を幸せにしてくれる、食べてる時は余計なことを考えなくてすむから、だっけ?」



そのとおり。




私は溜め息を吐き出す。


こんがりと焼けた菫の肌は若々しく健康的で眩しかった。



「菫はいいよねぇ〜。」


ポツリと零すと、菫はきょとんとして不思議そうな顔をする。




「才能があって、自由で。結婚もしてさ。私なんか仕事しかない。」




なんか、自分で言ってて惨めになってきた。