今日は、さすがクリスマスなだけあって、みかづき屋は勿論の事、ハピーズ飯崎店自体も大盛況だった。
みかづき屋では一日中二台あるレジがフル稼動で、品出しも追いつかなくなるほど。
早番の山崎くん、中番の佐倉くんが退勤してからも、お客さんはいつもより多くて朝から働き通しの私はさすがにクタクタだった。
それでもレジとお客さんの動きを見つつ、今日中に終わらせておきたい品出しに励んだ。
そんな時だった、店に佐倉くんが戻ってきたのは。
忘れ物でもしたのかと思っていたら、彼は再び黒いエプロンに腕を通す。
ぽかんとしている私を見つけて、佐倉くんは言った。
「今日は朝からでしたよね?」
「う、うん。」
「休憩入ってください。二回目取ってないですよね?」
確かに、忙しすぎて休憩どころじゃなかったけど…。
「…わざわざ、それで戻ってきたの?」
佐倉くんはそれには答えず、なぜか寂しそうな笑みを浮かべる。
「バックルームに、クリスマスプレゼントを置いておきました。」
抑えきれない胸の高鳴りが溢れそうになる。
あれから気まずい時間を過ごしていたせいか、変にドキドキした。