小学校で好きになったのは、隣の席の鈴木くん。
足が速くて、頭が良くて、人気者。
小学生男子のモテる理由を全て兼ね備えていた。
女の子たちの憧れの的だった鈴木くん。
私は、ひっそりと物陰から見つめるだけの日々を過ごした。
初恋と同じく二度目の恋も、本人に気づかれることもないまま THE END。
でも、中学の時は違った。
一つ年上の先輩に恋をした。
同じ図書委員で、それなりに親しくもなれた。
少しばかり調子に乗った私は、先輩の卒業式の日に告白した。
面と向かって。
生まれて初めて。
これは、かなりの進歩だと思う。
口から心臓がぶっ飛んでしまいそうな緊張に耐えながら、先輩の答えを待った。
99%の諦めと、1%の期待。
先輩の答えは、実に単純なものだった。
「ごめん、タイプじゃない。」