「それに――。」
それに。
「私、きっと恋をしています。」
言葉にした瞬間、酷く穏やかな気持ちになった。
悩み続けていた騒めきが消え、しっくりとくる。
言葉にしてしまうと、それがピッタリとハマることに改めて気づかされた。
「私、あまり告白とかされたことないし、そういうものに縁がなくて、結婚なんて一生出来ないかもしれないって思ってて。
だから路木さんに言ってもらえて、正直かなり舞い上がりました。…でも。私、きっと…というか、実は多分、初めて会った日から――彼に落ちていたのかもしれません。」
“俺も、勘違いしてたんです。”
“良い名前ですね。”
“じゃあ、もしも。”
“俺と結婚したら、"サクラ・サクラ゙みたいになっちゃいますね。”