「それで、どうするつもりなんです？」


「…それは。」


「…っていうか、佐倉くんには返事したんですか？」


「…………。」





押し黙る私の様子を見ていたマリちゃんは、強い調子で言う。



「やめてくださいね、変な遠慮とか。」


「えっ？」


「佐倉くんにフラれたマリが可哀相だから迷ってる、とか。」


「違っ！違うのっ。」



そう口にした後で、ポツリと零す。


「…分からないの、自分の気持ちが。」




こんな話をすること自体、恥ずかしくて堪らないのだけど。


いい歳して、とか…思われないかな、とか。







「私、よく分からないの。恋とか…。それに…怖いんだ。」


「怖い？」


「…新しいことを始めるのってドキドキもワクワクもするけど、同じくらい不安になる。…あっ！も、もちろん恋愛だけじゃなくて何でもそうだと思うんだけど…。」




私の話を聞くマリちゃんはとても真剣で、何だか私の方が幼いんじゃないかという気さえしてくる。