「あー…えーっと確か…ベリーニ?」


「好きなの?」


「はい。」




……良かった。
この間、佐倉くんとバーへ行っていて。



カクテルの一つも知らないだなんて恥を路木さんの前でかきたくない。

絶対に嫌だ!








高級感溢れる店、
周囲の客たちも何だか皆セレブに見えてしまい、自分が場違いな気がしてならなかった。



緊張と慣れない空気に飲み込まれて、店を出る頃には私の肩はガチガチになってしまっていた。