* * *――… “エリアマネからエラい出世よね。さすが路木さんだわ。” 繰り返し、繰り返し、聖子さんの言葉が耳の奥で聞こえている。 “私も、つい最近本人から聞いたのよ。芳乃が知らなかったなんて意外。” 路木さんの柔和な笑顔が脳裏に浮かぶ。 “だって、路木さんって芳乃のこと一番可愛がってたでしょう?”