「俺、駅まで送りましょうか?」
「…いや、大丈夫よ。」
「じゃあ、迎えに「結構です!」
佐倉くんが言い終わらないうちに言うと、香織さんが笑いだす。
まったく、仕事がやりづれぇったらない。
私は、佐倉くんのオープンなラブ攻撃(?)にすっかり困り果てていた。
……まぁ、ハッキリしない自分が一番悪いんだけど、さ。
でも、何かタイミングが掴めないっていうか、何て言ったらいいか分からないっていうか。
『私のような者でよければ、ぜひお願いします。』
……何かカタいな。
『付き合ってあげてもいいけど。』
……何だ、この上から目線。
今さら何て言えばいいんだろう。
自分の気持ちを表現するのにピッタリな言葉を、
私は見つけられないでいた。