妖しい光を放つ水槽の中でゆらゆらと水が揺れ、魚たちはひっそりと眠るように泳ぐ。
薄暗い館内を照らす水面の輝きは神秘的で、まるでこちらも水槽の中にいるようだと思った。
いや、水槽というよりは、もしかしたら海底かもしれない。
とても静かな、僅かな光が射すだけの深海は、こんな感じなんだろうか。
色とりどりの小さな魚たちが泳ぐ水槽を見つめて、私たちは笑いあった。
周囲にはカップルばかりで、囁きあうように声を潜めて寄り添っている。
ふと、一際大きな水槽が目に入る。
水槽の中では無数のクラゲが泳ぐというより、まるで踊っているようだった。
水中をゆらりゆらりと気ままに漂う姿は幻想的で、絵画のような美しさに思わず溜め息を零す。
クラゲの水槽は、その奥にも3つ程あった。
中でも、大きな正方形の水槽は360度どこからでも見ることができるもので、
その中を真っ白なクラゲがぷかぷかと浮遊する姿は興味深い。