「芳乃さん。」
「…何?」
「俺とデートしませんか?」
その言葉に驚いて佐倉くんに視線をやれば、彼はふっと笑みを零した。
「俺と芳乃さん、次の休みが同じ日なんですよ。」
……デート?
ぽかんとしている私は、さぞかし間抜けな顔をしていたことだろう。
「芳乃さん、俺から告白なんかされて正直困ってるでしょ?」
「…っそれは…。」
「芳乃さんの目で見極めてください。」
「え?」
佐倉くんの瞳は酷く真剣で、そんな目で見つめられると自分が閉じ込められてしまったような、可笑しな気持ちになる。
「俺を見て、知っていって、それから答えを出してください。」
「……うん。」
私が頷くと、佐倉くんは目を細めて笑う。