三階のフードコートで、
私と佐倉くんは同じテーブルを囲んだ。




私は最近ハマっているスンドゥブチゲという韓国料理のランチメニューを、佐倉くんはラーメンを、それぞれに注文した。





「それ、辛そうですね。」


佐倉くんはスンドゥブチゲの真っ赤なスープを興味深そうに見つめる。



「…そうでもないよ。」


そう答えると、佐倉くんは小さな笑みを零した。


その笑顔に胸を締めつけられて、私は目を逸らす。







フードコート内は、平日でもたくさんの人で賑わっていて活気があった。




騒めきの中で、私たちはぽつりぽつりと会話をした。



様々な音の中でも、佐倉くんの声を聞き取ろうとして神経を集中させる。

何一つ逃すまいとして。



そんな自分が、
一体何をしたいのか、何なのか、やっぱりハッキリと見えない。


一番大切な答えは、ボヤけたまま。






……なんて、本当は分かってるんだ。