「けどよ、男に餓えたあの女のことだぜ!?何があるか分かんねぇんだぞ!!」



梓月は千早に訴える……つーか何で梓月はそんな必死なんだ?




「何があるんだよ?」


「いや、だ、だから……あんなコトやこんなコトだよ!!」



あたふたとしている梓月を見て、リョウはクスリと笑った。


「梓月はエッチぃだねぇ♪」


「っ!テメェはうるせぇよ!!」




梓月の怒りの矛先はリョウへと向かう。



しかし、リョウはケラケラと笑って

「千早がいないと梓月は寂しくて仕方ないんだろぉ?」

と言った。





梓月の頬はみるみるうちに赤くなる。






「っていうか、ボクはそもそも読者が桜子サマを覚えているか疑問だけどネ☆」


「それは作者の力の無さの話だろっ!!」




口喧嘩を始める二人に香住はニコニコと笑顔を浮かべて言った。


「一泊だけじゃないですか。大丈夫ですよ。」


「…千早ぁ?ちゃんと帰ってくるよネ……?」


急に不安気に呟くリョウ。




俺はどこかで、その計算高さというか、魔性ぶりはある種の才能だよなぁ…なんて思っていた。





千早は素っ気なく、

「あぁ。」

と答える。