「ボクだって、もっと美人になりたぁい…。」
梓月って奴も超面倒くせぇけど、コイツも相当面倒くせぇな。
「じゃ、もっと頑張って美人になるんだな。」
俺の言葉に、
リョウは頬を膨らませ、口を尖らせる。
「簡単に言うな!ボクは肌が弱いから吹き出物だってすぐ出来るし……なのに千早は…。」
……テメェは女子かっ!?
その内、リョウは俯いてしまった。
うなだれて、呻き声を上げる。
「オメェ、寝るなら自分の部屋にしろよっ!」
梓月がそう言ったのが合図だったのか、リョウはすくっと立ち上がった。
「千早!」
「はっ――!!」
リョウは俺に顔を近づける。
異様に近い距離で、つい焦ってしまった。
「よく見せてっ!」
「!?」
ジィーッと、しつこいくらいに俺を見つめる。
何かの拍子にキスでもしてしまいそうなほど、リョウの顔が近い。
「オイっ!?何やってんだよ!!?リョウ!!離れろっ!!」
梓月がケンカ腰で近づいてくる、それを慌てて止める香住サン。
リョウはボソッと言った。
「長ぇ睫毛、白い肌……いいなぁ。」
「…………。」
「千早ぁ?」
「あぁ!?」
「…ボクって美人?イケメン?」
「…?」
この近すぎる距離のまま会話すんなよっ!?