――そして、香住サンは止めとばかりに、俺の小指をカプッとくわえて甘噛みした。
「〜〜〜!!」
俺は空いている方の手で口を塞いだ。
頭が可笑しくなりそうだった。
唇を離すと、香住サンは笑みを浮かべて言った。
「あまい。」
俺は慌てて手を引っ込める。
自分が今どんな顔をしているのか分からない。
恐る恐る顔を上げると、香住サンはアイスクリームを持つ自分の手をペロリと舐めた。
その手は、さっきの俺みたくアイスクリームがだらしなく伝っている。
一つ一つの仕草は、まるで見せつけているようで。
綺麗なお姉さんたちは、その様子に釘付けになっていて顔を赤くしている。
香住サンは上目遣いで微笑した。
「…あまいね。」
妖艶な微笑み、俺はまた俯いた。
耳が熱くて、指先が熱くて、出来るなら逃げ出してしまいたかった―――。