コーンの上にイチゴ、さらにその上にバニラのアイスクリーム。
東京タワーよりも、スカイツリーよりも、俺の夢が詰まってる!!
俺はペロリと舐めた。
バニラの甘さが口の中に広がる。
うぁー…生き返る!
すっかり荷物を持つことも忘れて、俺はアイスクリームに夢中だった。
貧乏性のせいか、勿体なくてマイペースに食べる。
その内、アイスクリームはだらだらと俺の手に落ちてきていた。
アイスクリーム屋の前に出ていた椅子に座り、香住サンはただ目を細めて待ってくれていた。
「香住サンは食わねぇのか?」
「えぇ。」
「…つまんねぇだろ?」
「いえ。楽しいですよ。千早くんを見ていると飽きませんからね。」
……それは面白いって意味なのか?
どっちかっつーと、俺は無愛想だけど。
その時、異様に黄色い声が耳に届く。
振り返ると、俺と同じように椅子に腰かけてアイスクリームを手にした綺麗なお姉さんが二人。
こっちをチラチラと見ていた。
『マジ超カッコいいー!完全、王子だよ!』
『モデルとか、俳優とかじゃない?』
『ヤバいよ〜!握手とかしてくんないかなぁ?』
『…てかさ、隣の子なに?子供じゃないんだからさぁ……手見てみ?アイス塗れなんだけど。』
『…うわぁ。いいオトコに恥かかせんなよ。』
綺麗なお姉さんたちの視線が俺を突き刺す。