家の中は、やたらと静かだった。
昨日、ここへ来たばかりの俺は、正直やることもなくて暇を持て余す。
リビングの窓を開け放って、ウッドデッキから空を見上げる。
昼下がり、青く澄んだ空をマイペースにでっかい雲が流れてく。
「千早くん?」
振り向くと、香住サン。
空と同じ、淡いブルーのシャツを着ている。
「暇でしたら、一緒に買い出しに行きませんか?この辺りも案内したいですし。」
朝食を運んでくるベストタイミングといい、何てタイミングがいいんだ。
「…香住サンってエスパー?」
「はい??」
「いや、何でもねぇ…。行くわ。」