久しぶりに温かいベッドで眠ったせいかもしれない。 居心地が良すぎるんだ――…。 きっと。俺なんかには。 階段を降りていくと、ちょうど壱と鉢合わせになった。 爽やかな好青年風の男は、俺の顔を見るなり赤くなった。 「……はよ。」 一応、言ってみる。 壱は、 「…バイト行ってくる。」 と、言って逃げるように出ていった。 変わった男だ、と思う。 真っすぐというか、素直というか…。 ときどき強気に出るくせに、それが空回りしてるから、また面白い。