フルーツポンチを平らげてしまうと、もう皮しか残っていないようなスイカをもパクリと口に入れた。
それを、慌てて香住が止める。
「千早くん!それは、もう食べられませんよ!!皮ですからね…。」
「……食えないのか?」
「はい。」
花本千早は深く溜め息をつく。
あれだけ食って、まだ足りねぇのか!?
「まさかっ!スイカ、知らないの?」
リョウが目を丸くする。
「…すいか?」
キョトンとしている花本千早に、
リョウは「ひぇ〜」と大袈裟なリアクション。
花本千早は、3年前より大人びて見えた。
あの頃より少し痩せたようにも思う。
この格好から思うに、まだホームレスを続けていたのか。
そんな事を考えていると、ふいに花本千早と目が合った。
俺はドキッとする。
けれど、花本千早のほうは特別興味を示すこともなかった。
何となく俺だけが踊らされているようで、癪に触る。
その時だった。
バンッと、リビングのドアが開いた。