「あぁーー!!!」
その声にハッとして、
我に返れば、俺と千早に集中する視線。
「何で!?何で!?何でチューしてんの〜!?ボク、まだ告白もしてないのに〜!!」
リョウが叫んで、俺はすっかりコイツらの存在を忘れていた自分に気づいた。
梓月は千早の肩をガシッと抱いて、「消毒しよう!」なんて言いやがる。
「千早!壱は止めとけ!コイツは爽やか好青年風だけどな、中身はただの童貞――!!痛っ!!」
梓月と千早を引き剥がし、梓月を殴る。
「俺は童貞じゃねぇ!」
「うるせーっ!童貞ヤロー!!」
カチン、ときた。
「テメェ…必殺・顔面便器の刑くらいてぇのか?」
そう言った途端、梓月の顔は真っ青になった。
「千早くん、壱はドSを越えた鬼畜ですよ?僕にしておきましょう?」
穏やかに笑って香住が言った。
「テメェは変態だろっ!!」
俺のツッコミも虚しく、リョウはまだ騒いでいる。
「何でこれだけの美男子が揃っててわざわざイッチーなの〜!?」
「わざわざってどういう意味だ!?」
あ〜クソっ!どいつもこいつも……。
うなだれる俺の肩に、香住が手を置いた。