ギターの音。
ベースの音。
ドラムの音。
キーボードの音。
様々な音色が交錯していた。
ステージ上で、俺は胡坐をかいて白い光を纏っていた。
小さな小さなライブハウスの、小さな小さな晴れ舞台。
目を閉じていると、肩をポンと叩かれた。
振り向くと、ギターを抱えた壱が不思議そうに俺を見下ろしている。
黒い髪が光を浴びて艶々と輝いていた。
「どうした?」
「いや…照明って意外と暑いんだなと思って。」
天井を仰いで呟くと、壱は目を細めて笑った。
「皆、来るってさ。」
「…そうか。」
照れ臭そうに笑えば、俺の頭をクシャクシャと壱が撫で回す。
それがまた、照れ臭い。