ローストビーフを手掴みで口へと放り込む梓月は、口を動かしながら喋りだす。
「話戻すけどよ。」
「…戻すなよ。」
「毎度毎度何で続かねぇんだよ、バンド。」
「…方向性の違い。」
「壱がワガママなんじゃね?少しは妥協しろよ。」
「妥協?ふざけんな。こっちは遊びじゃねぇんだよ。」
「自分が上手いからって相手に求めすぎだろ。」
「……俺は、この3年、血が滲むほど努力した。その結果だ。
同じ事を相手に求めて何が悪い。」
「お前のレベルに誰でも合わせられるわけじゃねぇって事だよ!
これだからドSはなぁ。テメェに原因があるって、いい加減気づけよ。」
やや悪くなってきた空気を悟った香住が口を挟む。
「まぁ、まぁ。今日は新入りさんの歓迎パーティーなんですから。」
しかし、時すでに遅し。
俺は梓月の胸ぐらを掴む。
梓月の目には闘志が宿り、
俺を殴った。
頬がジンジンと痛む。
…上等じゃねぇか!コノヤロー!!