『モッツァレラチーズとバジルのマルゲリータ』とか言うピザ。
ピンクのエビとグリーンのブロッコリーが綺麗なパスタ。
甘い蜂蜜とさっぱりした檸檬がきいたニンジンとレタスのサラダ。
果肉たっぷりの爽やかなグレープフルーツゼリー。
香住サンが作るものは美味いだけじゃなくて洒落ている。
きっと、どっかのレストランで出てきても違和感ねぇな。
ピザに噛りつきながら、俺は実感していた。
ここにいられることの喜びを。
幸せを。
「こうやって皆でいると、千早の歓迎パーティーを思い出すネ!」
リョウは、そう言ってニコリと笑う。
あれは夏の始めだった。
そしてもう、秋の足音が聞こえてきそうな季節になるのか。
家族とか、そういうもんはよく分かんねぇけど、
コイツらの笑顔を見ていると恵まれてんだと思う。
こんな俺を、受け入れてくれた――。
感謝しても、しきれねぇよ。