【小悪魔痴女】というタイトルのDVDを手に取ってみる。
綺麗な女の人が、とてもここでは表現できないような格好で写っていた。
まともに見るんじゃなかったと後悔する。
顔をしかめる俺に、香住サンは言った。
「あ〜気に入った物があったら差し上げますよ。」
「ッ!いるわけねぇだろっ!!」
香住サンはクスクスと、イタズラっ子のような笑みを浮かべる。
「あれ?男子は普通は好きですけどね〜?」
「…………。」
ヤバい…。痛いトコつかれた。
「……俺は!こういう女は嫌いなんだよっ!!」
苦し紛れの言い訳に、香住サンはまたクスクスと笑った。
「…つかさ、何で捨てんだよ?」
「はい?」
「コレ、全部資料なんだろ?必要なんじゃねぇの?」
「…いやぁ、あまりに増えてしまいましたから。」
不思議な間があった。
けど、香住サンはそれ以上語ろうとしないから、俺も黙って片付けに集中する。
天井の方へ片付けが進むにつれて、俺は背伸びをした。
しかし、結局手が届かなくなってくる。
ギリギリまで背伸びをしても……チクショー。
すると、ふいに後ろから手が伸びてきて、俺が悪戦苦闘していた物を簡単に取った。
振り向けば、すぐ真後ろに香住サン。
意外と近い距離に思わず仰け反る。