香住サンの部屋に入った瞬間、俺は呆気にとられた。 黒と白でまとめられた家具はイメージ通りって感じだったけど、驚くべきことに足の踏み場もないほど散らかっていたからだ。 床から天井まで「図書館かよっ!」とツッコミたくなるような本棚、 乱雑に積み重ねられた本、本、本。 デスクの上にも本。 「…スゴいな。」 いろんな意味で。 香住サンは苦笑する。 「昔から片付けは苦手なんですよねぇ。」 料理上手は片付け上手、なんて勝手に思い込んでいた。 ……さすがに俺の部屋だって、ここまで酷くねぇぞ。