やっぱり、俺はここへ来るべきではなかったのかもしれない。
そうすれば、梓月にこんな思いをさせずにすんだのに。
俺なんか、好きにならずにすんだのに。
痛感した。
男だと偽って、嘘を吐いて、ここにいる自分のズルさを。
梓月だけじゃない、
みんなに嘘を吐くことの痛み。罪悪感。
俺はサイテーだ。
そのくせ、仲間とか友達とか期待して……。
バカじゃねぇの。
騙して、偽って、嘘吐いて。
その時点で俺には、
そんな資格なかったのに。
自分はゲイじゃねぇか?、
そう思い、人知れず悩んだ梓月を思うと胸が痛い。
そうさせたのは、俺自身だと分かっていても。
それでも、真っ正面からぶつかってくる梓月の強さに救われていた。
――だから。俺も。
ハンパにするわけにはいかない。
俺に出来ることは――…。