「男だとか、女だとか、んなもんどうでもいいんだよ。
千早だから好きなんだ。」

「…………。」


「千早。」







線香花火がポトリと落ちた。


そこに、もう光はない。










「俺を見ろ。」







ギュッと抱き寄せられて、俺は梓月の腕の中。




体温とか、匂いとか、鼓動とか。










俺は瞼を閉じた。


そうして、唇を噛み締める。