全部のケーキを頬張る俺を囲んで、立ち尽くす4人。
クスクスと、リョウが笑いだした。
「千早は欲張りだなぁ♪
そこがまた、イイんだけどネ!」
梓月はポツリと零す。
「…ぜってぇ負けねぇからな。」
それに対して余裕の笑顔で香住サン。
「今回は引き分けですねぇ〜。
次は、勝たせていただきますよ。」
そして、壱が呟いた。
「させるかよ。全力で勝ってやる。」
でも、4人の会話は、ケーキに夢中の俺には届いていない。
どのケーキも、それぞれの甘さと美味さがある。
それぞれの個性がある。
だから、どれか一つなんて選べるわけねぇだろ?