見上げれば、4人はどういう訳か殺伐とした空気で。
「千早、どうする?」
「え?」
最初に口を開いた壱に続き、香住サンが言った。
「お好きなものを選んでください。」
ニコリと笑う香住サン。
梓月も、リョウも、笑顔だが……何だ?この真剣な雰囲気は??
俺は4つのケーキを見つめた。
いちごのケーキ、
シフォンケーキ、
チーズケーキ、
チョコレートケーキ。
何でコイツらがマジになってんのかは分かんねぇけど、俺は口を開いた。
「――全部!」
「………は?」
4人の声が同時に聞こえた。
「全部だよ!みんな美味いんだろ?選べるわけねぇじゃん!」
俺は、いちごのケーキからチョコレートケーキまで流れるようにフォークで掬って、一気に口に入れた。
我ながら贅沢な食い方だ、と思う。
口に広がる甘さ、
サイコーに美味い!!