「リョウのこと気にしてんのか?」
「…………。」
「大丈夫だ。アイツ、誰にも言わねぇってさ。」
「…………。」
「リョウも、俺と同じなんだよ。千早がいなくなったら困るんだ。」
「…………。」
「――仲間だからな。」
「!」
……仲間?
見上げると、壱は目を細めて微笑んでいた。
「仲間だろ?」
仲間……。
『Baby Apartment』の仲間!
「今さら、んなこと気にしてんじゃねぇよ。
千早は堂々としてろ。
男だろうが、女だろうが、千早は千早だ。」
そう言って、壱が俺の頭をクシャクシャと撫で回すから、俺は何故か泣きたくなった。(ぜってぇ泣いてやんねぇけど!)
マジで嬉しかったんだ。
千早は千早でいい、って言ってくれたことが。
俺は誰かから必要とされたことなんかなかったから、認められた気がした。
自分の存在を。