ふにっ。
………ふに?何だ、コレ?柔らかい感触が頬にあたる。
瞼を開ける。
明るいリビングの光景。
起き上がって、初めて気づく。
ボクは千早を押し倒して、さらにその上で馬乗りになっていた。
「――!!」
瞳を見開いた、ボクは声一つ出せない。
そして、千早もまた、瞳を見開いて絶句していた。
ボクが見下ろす千早は、バスタオル一枚を纏う。
細い肩、きめ細やかな白い肌――ボクがさっき、顔を埋めていたらしい胸。
それは膨らみがあって、バスタオルから覗く谷間があって……。
「千、早……?」
真っ白になった頭は、うまく動いてくれない。
ただ、お互いに瞳を逸らせないまま停止していた。