みんなが気にしてるのは、昨日の梓月の爆弾告白。
あの後、すぐに仕事に行ったボクは、みんながどんな一夜を過ごしたのかは知らない。
でも、この調子だと気まずい夜であったのは間違いないだろう――(笑)。
ボクは今さら驚かなかったけどネ。
梓月の、千早に対する態度は分かりやすくて。
あぁ、やっぱりかってカンジ?
梓月が千早を好きになるのも無理ないと思うんだ。
確かに男にしとくのは勿体ないくらい千早は可愛いし、中性的な魅力っていうのかなぁ。
…――千早はどう思ってるんだろう。
ていうか、イッチーはこのままでいいのかなぁ?
カスミは?
「台風が接近してるんですね。」
沈黙の中で、カスミが呟いた。
丁度、テレビの天気予報で、それを伝えている。
窓の向こうに広がる空は、どんよりと重く曇っていた。
「壱も、千早くんも、今日はこれからアルバイトですか?」
カスミの問いに二人は「あぁ。」、と揃って答える。
「梓月は?」
「…今日も公演。」
「リョウは?」
「ボクは休みだよ。」
「そうですか。
実は出版社で打ち合わせがあるんです。遅くなると思いますから、夕食はそれぞれにお願いしますね。」
「は〜い♪」
返事をしたのは、ボクだけ。
相変わらず可笑しな空気が流れていて、何だかツマラナイ。
ボクは諦めてシャワーへと向かった。
あーぁ、何かやんなっちゃうな。