電車を降りて、見慣れた街へ出る。 駅前の広場を横切っていく途中で、ふいに見つけた。 「…こんな所で何してるんですか?」 日差しを受けた金色の髪が揺れ、顔を上げた。 ベンチに座った千早くんは、眩しいのか目を細める。 「…バイト探し。」 ボソッと呟くと、広げていた求人雑誌にまた、視線を落とす。 「暑くないですか?」 「…………。」 「…涼みにでも行きませんか?」 千早くんは顔を上げた。 「クリームソーダでも奢りますよ?」