「俺、千早のことが好きだと思う。」
梓月に対する苛立ちの理由。――それは、紛れもなく嫉妬だった。
ストレートに自分の感情を千早にぶつける梓月に対して。
そして、
俺と同種の感情を持つ梓月に対して。――俺も。
――俺も、千早が好きだ。
気づくわけ、ねぇだろう。
今まで生きてきて、恋に落ちたことなんかねぇんだから。
胸の奥が苦しくなる、
呼吸さえ忘れる程の恋なんか。
千早が、好きだ。
好きだ。
好きだ。
26年間生きてきて、初めて知った。
恋ってもんが持ってる力も、
好きだって言葉の本当の意味も。
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