「…でも、やっぱ罪だよなぁ。あのコ、ぜってぇ千早を男だと思ってんぞ。」
「まだ言うか。」
「反省がないな。……罰が必要かな。」
「はぁ!?」
千早の表情には、戸惑いの色が浮かぶ。
「せっかくのファン1号なのに。」
「…………。」
「…千早、目閉じろよ。」
「…はっ!?何で!!?」
「だから、罰。」
「……罰って…何だよ?」
「さぁね。」
俺はクスクスと笑う。
狼狽える千早が面白い。
今日は俺の方が一枚上手かな。
「……分かった。」
覚悟を決めたように、千早は瞳を閉じた。
「…手、出して。」
「…ッ何だよ!?虫とかなら、俺ヘーキだぞ!……ヘビは無理だけど…。」
俺は笑いに耐えながら言う。
「ちげぇよ。」
千早の手に、それを載せる。
「…いいよ。目開けろよ。」
恐る恐るといった様子で、瞼を開ける千早。