着ていたのは、ごく普通のセーラー服だった。 歩きながら、束ねていた髪を颯爽と解くと無造作に頭を掻く。 手にしていた紙袋をコインロッカーに戻すと、代わりに濃いブラウンの学生カバンを手にした。 俺は目の前で起こっている状況を、さっぱり飲み込めない。 ただ一つ、確かな事は、 花本千早がただの家出少年ではないという事だ。