風呂から上がって、リビングを通るとヤロー共は相変わらずグダグダとそこにいた。
香住は、俺に気づくと困ったように笑う。
「コーヒーでも淹れましょうか。」
つけっぱなしのテレビをリョウはもう見ていなくて、梓月と騒いでいた。
「梓月!あそこ見てっ!千早がいるっ!!」
「えっ!!?」
リョウが指差した小さな丸窓に、ピッタリと張り付く梓月。
「おいっ!!どこだよっ!!?」
リョウはケラケラと笑った。
「梓月の単細胞ウケるっ!」
「………テメェ、顔面グチャグチャにすっぞ?」
「えー!梓月みたいにぃー!?ヤダーー!!」
「俺がグチャグチャだってーのか!?」
「気づいてなかったの?ボクの美しさに比べれば、グチャグチャのドロドロのスッカスッカだよぉ♪」
「………そんなに、か?」
「ブッ!!」
笑い転げるリョウと不機嫌そうな梓月を、俺はただ眺めていた。
香住は、テーブルにコーヒーのマグカップを置く。
「リョウも、梓月も、コーヒー淹れましたよ。」
男4人でコーヒーを啜る真夜中。
……変な夜だ。