「…ジン、おいで。」
私がそう言うと、ジンはチラリと振り返る。
「ほら、怒ってないから。」
「…………。」
「ジンーー。」
両手を広げて名前を呼ぶと、ジンは嬉しそうに駆け寄ってきた。
私の目には、完全に犬にしか見えない。
ぎゅっと抱きしめていると、酷く落ちついた。
躾も大切。
でも、やっぱりついつい甘やかしてしまう。
イカれてるなぁ、なんて自分で思った。
人間のペットに、どっぷりハマってしまった私はイカれてる。
「今日は何食べたい?」
抱きしめながら、尋ねた。
ジンは私を見つめて少し考えてから、
「ハンバーグ!」
と言った。
私は、思わず笑ってしまう。