「ツバサちゃん。」
「…なに?」
「裸足で飛び出してくるほど、心配だった?」
「はっ?」
自分の足元に視線を落とせば、私は裸足。
無我夢中で、自分が靴も履かずに出てきたなんて………。
それさえも、気づかなかったなんて。
今さら途方もない恥ずかしさが込み上げてくる。
耳が熱い……。
そんな私の様子を見下ろすジンは、ニヤリと不敵な笑み。
それが、また、悔しくて。
「ツバサちゃん、おウチに帰ろっか?」
ジンはそう言うと、いとも簡単に私を持ち上げてしまった。
「なにっ!?降ろしてっ!!」
「ヤダ。裸足なんだからケガするでしょ?」
それはお姫サマ抱っこというよりは、抱っこで。
「掴まってないと落ちるよ?」
というジンの言葉で、私は慌ててジンの首に腕を絡める。
「うん、イイ子。」
くしゃっと笑うジン………これじゃ、どっちが飼い主か分からない。