そして、満開の花をつけた桜の木が立ち並ぶ公園へ足を踏み入れて、
そこにジンの姿を見つけた私は声を上げた。






「ジンっ!!」





私の大きな声に、ジンは驚いたようで……それでも、ぱぁっと笑顔で駆け寄ってくる。




「ツバサちゃん!おかえりっ!」


「……ッおかえりって…。」


「ゴメンね、ツバサちゃん。実は…コレ、食べちゃったから買いに行ってたんだけど、俺…方向音痴でさ。
帰れなくなっちゃって……。」





ジンが私に渡した物は、コンビニの袋。



中には、昨日買って冷蔵庫に入れてあったはずの牛乳プリン。






「ゴメンね。ツバサちゃん、怒ってる?」




俯いたまま何も言わない私に、ジンは慌てた様子で口を開いた。



「つい食っちゃって…本当にゴメンねっ!!」


「…バカ、じゃないの?」


「え?」






私は唇を噛みしめた。



ボロボロと零れ落ちる涙の止め方を、私は知らない。




「っ勝手にいなくならないでよ!!どれだけ心配したと思ってるの!?」


「…ツバサちゃん。」


「私、バカみたいじゃん!色々考えて、色々ッ……。」






それ以上、言葉にできなくて私はまた俯く。




よく分からないけど、悔しくて、ホッとして………。