「本当にスキにしていいの?」
「あぁ。」
笑顔の男に、私も負けじと笑いかけて言った。
「じゃあ、私のペットになる?」
「へっ?」
間の抜けた男の声。
「ペットとしてなら置いてあげてもいいけど。」
「ペットってカレシの事?」
「ペットだってば。野良犬から飼い犬にでもなる?
ご主人サマに忠実なペットになるなら、置いてあげる。」
頭のおかしい女、と思っただろう。
だから、さっさと出ていって。
もう桜助のおかげで男なんてコリゴリだ。
見切りをつけて立ち去っていく男、それを望んでいた。
………なのに。
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