「ツバサちゃんって面白い子だね。部屋はグチャグチャなのに、料理上手。」
……ホメられているのか、貶されているのか、よく分からない。
「俺、行くトコないんだよね。あんなにウマいメシが食えるなら、ずっとここにいたいなぁ。」
「……迷惑。」
「ツバサちゃんは優しいから、一度拾ったモノをまた捨てたりしないよね?」
男はそう言うと、キラキラとした笑顔を私に向ける。
「もちろん、タダでとは言わないから。
俺のこと、スキにしていいよ。」
私と同じ目線の高さまで屈んだ男は不敵に笑う。
愛嬌たっぷりの笑顔、人懐っこさは、この男にとって最高の武器なのかもしれない。
だけど、今日の私は色々あって………たぶん、頭が可笑しいのだ。